歯を抜いた後にすぐインプラントを埋める「抜歯即時インプラント」とは?
むし歯や歯周病などにより抜かなければならない歯がある場合、その後歯を補う治療法として、インプラント、ブリッジ、入れ歯という選択肢がありますが、通常は歯を抜いてから歯茎が落ち着くまで1カ月以上は待たなければならず、治りの状況によっては数か月待つ場合もあります。ですが、状況によっては歯を抜いた直後にインプラントを埋め込むことができる「抜歯即時インプラント」という方法もあります。抜歯後すぐにインプラントが埋められれば、歯を早期に回復できるので患者さまにとって大きなメリットになります。今回は、抜歯即時インプラントはどのような状況で可能なのか、またそのメリットや注意点について見ていきたいと思います。
抜歯即時インプラントが可能になる状況

抜歯即時インプラントはすべての場合で可能になるわけではありません。
可能になる条件として、次のようなことが挙げられます。
可能になる条件として、次のようなことが挙げられます。
・十分な骨が残っていること
・抜歯をする歯のまわりに大きな病巣がないこと
・抜歯する歯が重度の歯周病でないこと
・ひどい歯ぎしりや食いしばりがないこと
・タバコを吸わないこと
・かみ合わせが安定していること
もし上記の条件に当てはまらない場合には、仮に抜歯即時インプラントを試みてもうまくいかない可能性が高いので、おすすめすることはありません。
抜歯即時インプラントのメリット

◆早く歯を回復できる
通常のインプラント治療では、抜歯後に十分な治癒を待ってから行うため、インプラントの埋め込みまで数ヶ月待つことも少なくありません。ですが、抜歯後すぐにインプラントを埋められればそれだけ早く歯を回復できます。
◆手術が一度きりで済む
通常だと抜歯とインプラントの埋め込みを別々に行うので、手術が二回かかることになりますが、同時に行うことで、一度の麻酔で二つの施術を済ませられ、心身の負担、通院の負担を減らすことができます。
◆痛みや腫れを少なくできる
抜歯した穴にすぐインプラントを埋めることで、インプラントをするためにわざわざ歯茎を切ったり剥離をしたりする必要がなくなりますので、傷口が最小限になり、術後の痛みや腫れを最小限にとどめることができます。
◆骨の減りを少なくできる
抜歯後は、通常、月日が経つにつれて骨はボリュームを失っていきますが、抜歯直後にインプラントを埋め込むと、骨が減るのを防ぐことができます。
◆見た目よく仕上がりやすい
歯を抜くと、骨がボリュームを失うため、それに伴って歯茎が下がっていきますが、抜歯直後にインプラントを埋めると骨が下がりにくくなるため、歯茎も抜いた時の形で維持されやすくなり、より自然な歯茎のラインになりやすく、見た目の上でも有利になります。
抜歯即時インプラントの注意点
◆全てのケースで適用できるわけではない
骨の量が十分にない場合、抜く歯の周囲に感染がある場合、食いしばりや歯ぎしりがあって強い力がかかる場合、歯並びに問題がある場合、タバコを吸う場合など、条件が向いていない場合には抜歯即時インプラントは適用できません。
◆治療が受けられる歯科医院が限られる
抜歯即時インプラントは特殊な技術を必要とするインプラントですので、治療が受けられる歯科医院が限られます。
抜歯即時インプラントが可能になるかどうかは、歯科医師が個別に入念に状況を判断する必要があります。当院では抜歯即時インプラントを行っておりますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。