インプラントの素材って体に害はないの？
インプラントは「体に埋め込むもの」、という意味です。歯のインプラントは顎の骨に埋め込むものなので、その安全性が気になっている人もいることでしょう。そこで今回は、インプラントの素材の安全性についてご紹介します。
インプラントの素材「チタン」ってどんなもの？
インプラントの素材として使われているものは、「チタン」という金属の一種です。チタンは非常に軽い金属でありながら丈夫で、しかも生体親和性が高い安全な材質として知られています。そのため、心臓のペースメーカーや人工関節の材料として医療の現場でも広く取り扱われています。
しかし、金属というと金属アレルギーが気になる人もいるかもしれません。特に歯科金属は金属アレルギーを起こすという話を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。ですが、インプラントに使用されているチタンは、一般的に金属アレルギーのリスクが高いと言われている歯科金属とは全く異なります。
チタンはそれらの金属と違って、水に溶け出しにくく、性質が安定していることで知られています。そのため、金属アレルギーを起こしにくいということも有名で、身近なところでいえば、金属アレルギーを起こしやすいピアスなどのアクセサリーにも使用されています。金属だからといって全てが金属アレルギーを起こすか、というとそういうわけではないのです。
インプラントの金属アレルギーのリスク
しかしながら、チタンは、金属アレルギーのリスクが全くゼロというわけではありません。ごく稀に、チタンで金属アレルギーを起こす人もいるということが報告されています。もしチタンにアレルギーがある場合には、インプラントを埋めた後にアレルギー反応が出ないとも限らず、その場合にはインプラントを撤去しなければならない可能性というのも出てきます。そのため、これまでに金属アレルギーを起こしたことのある人、もしくは金属アレルギーのことが心配な方は、歯科医師にその旨を伝え、事前にアレルギーテストを受けておくことをおすすめします。
金属アレルギーの症状
お口の中の金属が原因でアレルギーを起こす場合、その周辺の歯茎や口の粘膜、皮膚に反応が起こるほか、味覚異常や、手や足、胴体など体の皮膚に湿疹が出るといった症状で現れることもあります。
体に現れる症状の場合、口の中の金属が原因とわからないケースも多くあり、ずっと原因がわからないまま対症療法を受け続けるケースというのもあるようです。
そのため、すでに今現在そのような症状があり、お口の中に金属が入っている場合には、試しに一度歯科金属のアレルギーテストを受けてみるのも良いでしょう。
いずれにしても、これまでに金属でアレルギーを起こしたことのある人は、チタンに対してもアレルギーを起こすリスクというのは他の人よりも高いと言えるため、インプラント治療を考えている人は、一度歯科医師に相談しておきましょう。
